大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

週刊少年ジャンプ(51) 田中誠一 1 戸舘新吾 1 「コスモス・ストライカー」

「コスモス・ストライカー」を覚えていますか? 田中誠一原作、戸舘新吾作画によるあの作品を。
これは週刊少年ジャンプにて、1988年の1号目…つまり実際の発売は1987年になる1・2合併号にて連載開始されました。
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ついでなので巻頭カラーを飾った、この連載第1回目の号を見てみると、他の作品は
鳥山明「DRAGON BALL(ドラゴンボール)」
佐藤正「燃える!お兄さん」
車田正美「聖闘士星矢」
北条司「CITY HUNTER(シティーハンター)」
武論尊&原哲夫「北斗の拳」
宮下あきら「魁!!男塾」
えんどコイチ「ついでにとんちんかん」
高橋陽一「キャプテン翼」
秋本治「こちら葛飾区亀有公園前派出所」
荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」
こせきこうじ「県立海空高校野球部員山下たろーくん」

と、アニメ化された(ずっと後に、とか映画版も含む)作品ばかりの凄い時代のジャンプです。

他も
巻来功士「ゴッドサイダー」
にわのまこと「THE MOMOTAROH」

と、それぞれの作者の代表作に数えられる渾身の作品があり、

さらに
ゆでたまご「ゆうれい小僧がやってきた!」
樹崎聖「ハードラック」
高橋ゆたか「おとぼけ茄子先生」
ちば拓「ノーサイド(NO SIDE)」

と、ここら辺は一般的には忘れ去られた感のある作品かもしれませんが、当時小学生で何度も何度も熱心に読み返していた、私のように孤独な少年読者だった者にとって懐かしい胸キュン作品ばかりです。

この後すぐに毎週の発行部数が500万部を突破し、1990年代前半にはさらなるヒット作も生まれて売り上げを増やして行き、伝説の1995年3-4号です。あの653万部という驚愕の売り上げにまで達するわけですね。頂点まで行けばあとは下り坂が待っていますが…。
つまり「コスモス・ストライカー」は、ジャンプ黄金時代前夜と言える時期に大ヒット作に紛れて連載された作品。この頃のジャンプをリアルタイムで読めていた事を誇りに思います。いや同世代のガキはほぼ全員読んでたのですが。
この頃はまだ子供でそこまでひねくれ者でもなかった私を含め、田舎の小学校では全員がジャンプを読んでいました。マガジン、サンデー、チャンピオンなんて遥か遠い下の位置でうごめく雑誌でしたから。

「コスモス・ストライカー」は、タイトルのスとスの間にある『・』がサッカーボールで、タイトル自体とジャケ画を見てもすぐに分かるように、サッカー漫画です。
いや、サッカー漫画の姿を借りたトンデモないバトル漫画…例えれば「アストロ球団」、もっと近い時代の作品だと「剛Q超児イッキマン」のサッカー版、といえば通りが良いでしょうか。

単行本はJSC(ジャンプスーパーコミックス)で全2巻(創美社刊)です。
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(巻末に「今夜はラディカルボーイ」「ファイヤースタント」という、つまらない短編も併録されています)

舞台は連載時からしたら極近未来である1992年。
『サッカーはあらゆるスポーツ界の頂点を極め その人口は地球の総人口の二分の一 二十五億人に至ろうとしていた』
そんな時代のヒーローといえば、世界覇者ユベントスを中心としたヨーロッパオールスターズチームでしょうか…
いや、そのチームを相手にキックオフ直後わずか9分で50得点をあげた上に全員地べたに倒れて動けなくなるまで痛めつけたチームが登場しました!
その名も『超蹴球戦士(スーパーマニズム) サードエンバイア』。彼等は西アルプスに本拠を置き、サッカーを己の邪悪な野望の道具にして世界制覇を狙う悪の組織なのです。
その野望に立ち向かうのが、主人公の逸刀志狼(いっとうしろう)率いる『真蹴球戦士(リアルマニズム) コスモス』

サードエンバイアの幽閉から脱出した十蔵(じっちゃん)が密かに鍛え上げた志狼は、そのじっちゃんの死によって封印していたサッカー超人としての力を解き放ち、さらに特訓を重ねた末にリアルマニズムに成長します。
コスモスはその志狼の他、元陸上選手、元ボクサー、元剣道家、元ダンサー等の他ジャンルで天才と呼ばれながら謎の失踪を遂ていた経歴を持つヤツらを中心に集まったメンバー。この11人の男達は、全員胸に光るサッカーボールのマークを持っています!

この両チームの激突は壮絶を極め、ジャンプで同時に連載していた「聖闘士星矢」を思わせる大コマでの必殺技…
マーキュリードライブフォング(MDF)
ハイパーイカロスウイング(HIW)
ブラッディサンダークラッシュ(BTC)
セイクレッドグラビュラフォーム(SGR)

等の応酬でお互いに命に関わる大怪我したりミイラ化したり(!)、それはそれは大仰な死闘が繰り広げられていきます。
必殺技を使った後には、やはりジャンプで同時に連載していた「魁!!男塾」のように文字で説明するのも良いですね。

フィールドを宇宙にし、右手で重力をコントロールしてボールを吸い込んでセーブするゴールキーパーなども登場しちゃいますが、志狼はさらに上を行く凄いヤツになって空を飛んで…
で、ゴールを決めた所で物語は突然の終了。つまりジャンプの定番『打ち切り』に合ってしまったのです。
サードエンバイアの組織としてあまりに強大な規模も明らかになってきて、どれだけ強敵がいるのかと心配しましたが、それ以上の強敵はジャンプ編集部でした!

作者はそれなりに伏線を張って先の展開も考えていたのでしょうが、恐らく練っていた壮大な物語の十分の一も行かない段階だったのでは…
「ジョジョの奇妙な冒険」の石仮面みたいなのを被っている敵のボス・フィクサーカリフ(影の総統)の謎、男臭い漫画にあって清涼剤のようなスピリチュアル美少女・クリスタル・プライム、他にも謎を抱えている登場人物達がいたのに、いろいろ分からずじまいです。
後年、この漫画の影響を受けまくって大ヒットした香港映画「少林サッカー」を観て、当時のジャンプ編集部は後悔したのではないでしょうか。
当時の読者がまだ、この手の作品を読む時に少し必要なバカ漫画としての有難がり方を知らなかったのも問題あるかと思いますが。

ところで2000年を過ぎた頃から、週刊コミックバンチ(新潮社刊)辺りを中心に黄金時代のジャンプ作品の続編を描かせるブームがありまして、見れば上記のジャンプで同時期に連載していた作品のうち10作近くが続編を発表しています。
密かに「コスモス・ストライカー」もやって、長年のモヤモヤを解消して欲しいと願っていたのですが…やはりダメでした。いや、今からでも遅くないので単行本も再発してちゃんと完結まで描いてもらいたい…そう願ってやまない作品です。

最後に作者紹介ですが、まず原作担当の田中誠一先生は1957年生まれの東京都出身で、カメラマン他いくつかの職を持っているようですが、漫画原作者としての代表作は千葉きよかず作画の「剛球少女」でしょうか。というか私はそれしか知りません。
作画担当の戸舘新吾先生は1960年生まれの青森県出身で、原哲夫先生と猿渡哲也先生のアシスタントを勤めた方で、師匠二人による劇画の影響をしっかり受けています。
「コスモス・ストライカー」以降の作品では「クライシスダイバー」(二枚矢コウ原作)を読みましたが、その後どうしているのか…ここ20年は新作を見かけておりません。


オレは神に!
サッカーの神になってみせる
うなれ!
マーキュリー ドライブ フォング!!



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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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