大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

ホラー漫画(65) 関よしみ 2 「魔少女のおもちゃ箱」

今夜は久々に、私が愛してやまないホラー漫画家の関よしみ先生です。
随分前の「ココ」以来触れてなかったのですが、そろそろ続けて紹介していこうと思います。

今回は「魔少女のおもちゃ箱」(講談社刊)。
SEKI-masyojo-no-omochabako.jpg
1991年に描かれた傑作3編を収録した短編集で、全て少女フレンド増刊の形で定期刊行されていた『サスペンス&ホラー特集号』にて掲載された作品。個人的にはどれも同誌にてリアルタイムで読み、また関よしみ先生の絶好調期で作品の質も高いため、思い入れ深いものばかりです。

ついでにサスペンス&ホラー特集号の話をしておくと、私が中学生くらいの時に妹が毎回買っていたので読めていたのですが、当時は他にも類似の分厚い少女向けホラー漫画雑誌がいくつも出ていて、あれらは1990年代のほんの一時期、どんどん面白くなくなっていた少年ジャンプ以上に勢いがあったものです。
その時の圧倒的なスター漫画家は犬木加奈子先生でしたが、個人的には関よしみ作品が一番の楽しみだったと言っても過言ではありません。

残念ながら一時代を築いたそれらの雑誌は全て、とっくに廃刊になってしまいましたが…近年でも
「伝説のサスペンス&ホラー ~ベスト・オブ・恐怖傑作選~」
といった形のアンソロジー本が近年に何冊も出たりしたし、あの雑誌も見直されて伝説になっていくのでしょうか。

こちらは「13人のサスペンス&ホラー」(講談社刊)。
13-suspense-horror1.jpg
ここに参加しているのは犬木加奈子先生や関よしみ先生(1994年の「あたしのお葬式」収録)の他に、川口まどか、大橋薫、有田景、まるいぴよこ、長田ノオト、広野拓也、空路、平田京子、三条友美、平井一郎、谷間夢路といったメンバー。

裏表紙には作者それぞれが描いた自画像があるのですが、
13-suspense-horror3.jpg

関よしみ先生左から4人目の、この方ですね。
13-suspense-horror2.jpg
アラレちゃんの首外しギャグのパロディでしょうか…血がしたたり落ちてますが!
かつては真っ当な少女漫画家修行をしていた名残の可愛い絵柄を生かしてこういう事をやる、そのギャップが大きな魅力です。名刺には、可愛い女の子の下半身が骨になっている絵が描いてあるそうです。

さて、短編集「魔少女のおもちゃ箱」に話を戻すと、まずは表題作。
学校のスキー旅行で勝手な別行動した仲良し男女の学生グループが雪崩に遭い、山の家で休ませてもらいますが吹雪のためいつまでも下山できなくなります。
その家は天使のような幼女のみゆきとおじいちゃんの二人暮らしのため、みゆきは一緒に遊びたいと慕ってくるのですが、一点の曇りも無い無邪気さのままに、どこにも行かないようにと客の足を切っちゃったり…
「ミザリー」の幼女版みたいな感じですが、足を引っこ抜いて飼ってるゴキブリを競争させて遊んでたり、猫も手足もがれて飼われてるし…もちろん人間に対してのショッキングな残酷描写もあり、じわっとくる恐怖があります。

続いて「霧の底」は、これこそが私の関よしみ先生に対する印象を決定付けたトラウマ作品。
今度は霧に包まれた無人島に難破した若者グループ、というシチュエーションの中で一人また一人と減っていく…その絶対に出られない島に生息する不気味な鳥の秘密とは!?
関よしみ作品の定番でもある『結局は人間が一番怖い』のメッセージも伝わってきます。人のエゴイズムなどを上手く表現しつつ、どうやっても抜け出せない絶望感。ヤバいカニバリズムもありますよ。
この作品についてはもっと解説したい所ですが、語りすぎるのが私の悪い癖…なので、ここまで。とにかく名作です。

最後の「悪夢にいらっしゃい」は、『夢』をからめた残酷物語です。可愛い者がグチャグチャになってしまう主人公達と同じ世代の少女読者にはハードすぎる内容!

最近は大ヒットしている諫山創先生の「進撃の巨人」に代表されるような、極限状態から脱出しようともがく作品が『絶望系』などと呼ばれて流行っていると何かで読みましたが、絶望が好きなら是非、関よしみ作品も読みましょう。
今回紹介した単行本収録作品はまさに絶望系と呼べるでしょうし、少女向け短編でここまで出来るというのが嬉しくてたまりません(内容は絶望的ですが)。


バカ…やろう
あんな…姿に…なって…まで……
生きて…たいの…か!?



スポンサーサイト
  1. 2011/03/03(木) 23:37:42|
  2. ホラー漫画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<ホラー漫画(66) 関よしみ 3 「飼育病棟」 | ホーム | 旅行・紀行・街(97) 栃木県佐野市 1 足利市 1>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://mangabruce.blog107.fc2.com/tb.php/976-4b1d9f01
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

BRUCE

Author:BRUCE
BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する