大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

ホラー漫画(68) 関よしみ 5 「マッドハウス」

また関よしみ作品紹介に戻ります。鬱系ホラー…漫画で嫌な気分を味わいたい方(そして現実に戻って安心感を得たい方)は、関よしみ作品を!
という事で、今夜は「マッドハウス」(講談社刊)です。
SEKI-mad-house.jpg
今回は1995年の作品が「マッドハウス」「愛の食卓」「愛の墓標」の3編、最後に1992年の「死にたいの」を収録した短編集で、発表時の掲載誌は全て少女フレンド増刊・サスペンス&ホラー特集号です。

最初は表題作の「マッドハウス」ですが、表紙をめくるといきなり、少女が部屋の窓から外を眺めると隣家の主婦が包丁で夫をメッタ刺しにして殺す所を目撃する、激しいオープニング!
それを目撃した中学2年生の少女・真柴このみが主人公で、ほどなく惨劇のあった隣家に越して来た黒沢家はキチガイ一家で…いや、最初はまともそうに見えたのですがその家が発する磁場が原因で狂っていったのです。タイトル通り、ここは住む者を狂わせる"マッドハウス"でした…
とにかく黒沢家のキチガイ描写が凄いのですが、強烈なのはおじいさん。このみが通りすがりに『こんにちは』と挨拶したら、『な…ッ なんだとォ!? き…きさまァ、ぶっ殺してやるーッ』と、キレて襲ってくるのです!ボケ老人としても、体は丈夫だから怖い。何とか自宅まで逃げたこのみは、玄関扉のカギをかけると、おじいさんはさんざん扉を蹴ってわめき散らした後にドでかい糞を残して行きましたよ…怖い!
その後も全裸で家の台所に侵入し、生魚をかじりながら塩気が足りないと自分の手をおろしがねで擦って出した血で味付け、さらにまた糞をブリブリボトボトと落としながら去っていく…怖い!
黒沢家の他のメンバーも、このみの小学3年生の弟・桂太と無理心中するショタコン同級生の詩月。その父親は女装癖を持ち、このみの部屋へ侵入して勝手に日記を読んでは実名入りでひどい脚色を加えて自作の小説ネタにする。一番のシリアルキラーとなった母親は…略。
オチもしっかりと暗雲立ち込めるネタで終わらせましたが、自分の一番プライベートで安息の場所である"家"をズカズカ踏みにじられてメチャクチャにされる恐怖を描いた傑作でした。
ちなみにこの後関よしみ先生は『マッドシリーズ』と呼ばれる、タイトルに『マッド』が付く短編をいくつか描く事になります。あまりタイトルにこだわりを感じない先生ですから、多分考えるのが面倒だっただけでしょう、関連性は無い作品群ですが。

次の「愛の墓標」も凄い!
共に高校2年生である大月美和中森耕平の仲良しカップルは、世界一の大金持ち・米倉総一郎がスポンサーについて開催されて賞金10億円がかかった『ベストパートナーズ・アドベンチャーゲーム』に参加するのですが、これは不合格者が文字通りゲーム感覚で次々と殺されていく死亡遊戯だった…
主催者のやり方はどこまでもえげつなく、母親まで人質に取られてゲーム上で殺されます。そもそも母子家庭で育った美和は、いつも内職ばかりで苦労させてる母親に楽をしてもらうために参加したのに!
さらにゲームは続き、『愛情の強さをはかるため』に痛~いお仕置きに耐えて(同時に次々不具にされて)いく二人。最後は10億円どころか米倉総一郎の全財産800億円の相続権も与えられる事になるのですが、さぁ優勝の行方は!?
これは福本伸行先生が週刊少年マガジンで2007年に連載開始した「賭博覇王伝 零」にかなり影響を与えていて、同じく福本先生の「賭博堕天録カイジ 和也編」でも作中作となった兵藤和也の小説「愛よりも剣」で「愛の墓標」の影響を感じさせました。むろん偶然似ただけなのかもしれませんが、関よしみ先生と福本伸行先生…表面上ひどい人間不信を感じる作風は共通する物があります。

「愛の食卓」は…出ました、カニバリズム漫画。
雪山で父親を食べて生き長らえた志水優歩は人間の肉しか喰えなくなり、母親は自分の肉を与えて息子を生かす。そして!
いや~、ひどい話すぎて笑っちゃうほどのグロテスク。病的で…哀れな滅びの美学を描き、そして恐ろしいトラウマ作品です。

最後の「死にたいの」は、日野日出志先生の「怪奇!死肉の男」「怪奇!死人少女」と同設定。つまり『死んでも生きている』少女の話なのですが、その見せ方が関よしみ先生らしい上手い盛り上げ方。
比べると関よしみ先生による日野先生のようにはグロくない、むしろ少女漫画らしい可愛い絵柄で描くからこそ生まれる怖さと悲しさがありますね。

はい、今夜はどれもこれもショッキングなサイコ・スプラッター漫画の傑作揃いの短編集「マッドハウス」紹介でした。


ルーレット スタート!!
なにが出るかな なにが出るかな……
出ました!Bの左上腕切断ー!! 略して……左切(させつ)!!



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  1. 2011/03/25(金) 23:59:44|
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  1. 2011/03/27(日) 01:10:31 |
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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