大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

ホラー漫画(77) 大石まどか 2 「亡霊!四谷怪談」

今夜は久々に大石まどか先生。
この方は貸本漫画時代から活躍していたのですが、我らがひばり書房から「めくら蛭」「妖怪の子守唄がきこえる」他の何冊か上梓していて、その後立風書房からも二作が出ました。立風の方は入手難易度が低いので簡単に読んで頂けると思いますが、そのうち一冊は「ココ」で紹介した怪作「たたりの古井戸」
もう一冊は、「亡霊!四谷怪談」。これを今回紹介しましょう。
OHISHI-yotsuyakaidan.jpg
タイトルでそのままなので分かると思いますが、大石版「四谷怪談」です。かつて大石先生はひばり書房でも「お岩の怪談」、そして続編「怪談 お糸地獄怪」を描いてますが、それほど「四谷怪談」に思い入れのある先生が、1980年代に再挑戦したのが本作なのです。

何を隠そう私も、保育園時代に先生からお話聞かされて以来の「四谷怪談」好き。
芝居や歌舞伎や落語でも有名な怪談の定番ですが、映像作品としても人気が高く、様々な巨匠も含めて何度も実写映画化されていますね。私は中川信夫監督の「東海道四谷怪談」が好きで、数年に一回はビデオで観直してます。

大石まどか先生のコミカライズ版「亡霊!四谷怪談」のお話ですが、元赤穂浪士の伊右衛門は、の父を自分で殺しておきながら仇を討つなどと言って岩と結婚して子供も作る。
御家中の因縁もからめて伊右衛門が立派な武家の娘・に惚れられる展開から、邪魔になった岩には毒薬(南蛮の稀紫騰と徴竜散を混ぜ合わせた物)を飲ませて醜くした上で離縁します。この、岩が化け物のように変貌するシーンは一見の価値あり!
騙された事を知って醜くなった岩は、それでもせめて髪などとかそうと櫛を使えば、ごそっと抜け落ちる毛髪…これは哀れすぎますね。
『たとえこの身は死のうとて このうらみはらさでおくべきや』と呪詛を残して息絶えた岩は!
この先は言うまでもないくらいですが、当然幽霊となって復讐を果たす…という話ですね。

最後に伊右衛門が死ぬまでにいくつか見所があるし、これは岩の幽霊が出てきたのじゃなくて、罪の意識に苛まれた伊右衛門が見た幻覚だったのでは!?など考え所もありますが、基本的には作者なりの解釈をはさまない良く知られる「四谷怪談」そのままの展開です。
基本的に何でも許された立風書房のレモンコミックスから出すなら、もうちょっとメチャクチャやって欲しかったと思うのですが…しかもこの作品だけ、他の大石まどか作品に見られるような、異様に頭がでかくて体のバランスが悪い妙な絵柄が抑えられ、まともになっています。

それだけにはひばり書房で上梓した作品に比べて完成度も高いし、この手の作品に興味無い子供とかの読者にも読みやすいとは思うのですが、やはりこの先生に関しては『一般受け』という色気を持って欲しくなかった。
レモンコミックスを読むような他の皆もそう思ったのでしょう。現に大石まどか先生はこの後、漫画界から忽然と姿を消してしまうのです。


あまりといえば あまりのしうち
父上まで殺していたとは……むごい!むごすぎる!
これまでどんなしうちにもじっと耐えてきたのは………
心の底から夫を…あの人を信じていればこそ
それを…それを……おのれ!伊右衛門!



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  1. 2011/04/20(水) 23:18:00|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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