大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

劇画(118) 谷口ジロー 4 「地球氷解事紀」

続いての谷口ジロー作品は、「地球氷解事紀」(講談社刊)。
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谷口ジロー先生が生んだ壮大なるSF(空想科学冒険活劇)物語ですね。
上下巻の全2巻完結となっていて、掲載したのは上巻収録分が1987年から1988年の月刊アフタヌーン、下巻収録分が1988年から1991年の週刊誌であるモーニングでの不定期連載分。両誌の出版元である講談社からモーニングKCDXで単行本化されていました。

そしてこちらが、英題『ICE AGE CHRONICLE OF THE EARTH』をアピールして双葉社から2002年に復刻された物になります。
TANIGUCHI-ice-age-chronicle-of-the-earth.jpg

全地球規模で氷河期に突入した未来を舞台に、生き残った人類の旅路を描いた作品。
まず赤道付近の"石炭採掘基地タルパ"で作られた小さな町で話は始まり、主人公のヤマト・タケルはそこのを運営する会社・シーヴル社長の妾腹の息子ですが、ひねくれて大人になりきれず責任回避ばかりする情けない奴。
そのタケルがジャーヴィス技官に殴り飛ばされたり、任務を遂行する事で成長していき、有志を連れてタルパを出て都市へ向かうまでを前半で丹念に描いてます。

タケルはそれからある村で祈禱師の婆に"水晶の眼"を持つ少年だと言われて、その村の守護神・蒼天の巨神と出会い、コンタクトを取る事となる…
後半では氷河期が終わりを告げて、様々な進化生物が登場します。さらに生きて憎悪の感情を発し、襲い来る森!そして人間が生活する上で依存していたマザーコンピュータの大祖母様(ラ・ベル・メール)が創造主として、神として目覚めてしまい、強く優れた精巧なる新生人類(アドルフ)を創造すると、旧ヒト科である人類を消去すべく襲ってくる…

人類が生き残るために最終決戦に向かうタケルの活躍を見ると、もう物語冒頭の目覚める前のタケルとは別人ですね。
どうにか勝利したタケルは新しい力にも目覚め、物語は終わるのですが、恐らくはもっともっとスケールの大きな長編になるはずだったのでしょう。ラスト近くは早足になりすぎてて生かしきれなかった伏線や謎もあります。それを差し引いても、見所満載で感動的に凄い作品なんですけどね。
さらに谷口ジロー先生自身があとがきでその後の世界にも再度挑戦したいと書いてるので、期待していて良いのでしょうか。実際にもう随分長い年月待ってますが…先生は今作の連載当時よりはるかに売れっ子漫画家になっているし、難しいでしょうかね。
あと、今作には連載の数年前に公開された宮崎駿監督のアニメ映画「風の谷のナウシカ」の影響がいくつも見られる事を付け加えておきましょう。
近年はすっかりSFと遠ざかった谷口ジロー先生…原作者を付けて絵に専念する事も多いのですが、この時はオリジナル作品でここまでの一大傑作をモノにしているのが才能の深さを感じさせ、ファンとしても嬉しい重要作品です。


なにかが起こってる
地球は……自然のほうが……人間よりも強いってことを
もういっぺん……我々に見せつけようとしているらしい



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  1. 2011/04/29(金) 23:53:12|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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